【プレスリリース】腹部大動脈瘤患者に対してトリカプリンを投与する臨床研究を開始

一般財団法人栩野財団(以下、当財団)と大阪大学大学院医学系研究科 中性脂肪学共同研究講座 樺 敬人 特任研究員(常勤)、平野 賢一 特任教授(常勤)、同 循環器内科学講座、心臓血管外科学講座、放射線統合医学講座の研究グループは、腹部大動脈瘤の患者さんに対して、トリカプリンを投与する世界初の臨床試験を開始しました。これまで腹部大動脈瘤は、手術以外に有効な治療方法がなく、破裂の危険性が高まる大きさ(直径50mm以上)になるまでは、経過観察されています。

これまでに、近畿大学農学部 応用生命化学科 財満 信宏 教授、大阪大学大学院医学系研究科 中性脂肪学共同研究講座らの研究グループは、母乳にも含まれる栄養成分であるトリカプリンを腹部大動脈瘤のラットに与えると、一度できた腹部大動脈瘤が退縮(縮小)することや、発症前に投与しておくと腹部大動脈瘤ができなくなることを発見しました。

この成果をもとに、当財団と大阪大学大学院医学系研究科 中性脂肪学共同研究講座の研究グループは、腹部大動脈瘤の患者さんに対して、高純度トリカプリンカプセル「カプリンHI®」を経口投与する臨床試験を開始しました。本試験において、トリカプリン投与により腹部大動脈瘤に良い効果が確認されれば、手術適応のサイズになるまで待つしかない、本疾患に対する全く新しい治療法開発の第1歩となります。

本臨床試験は大阪大学医学部附属病院 認定臨床研究審査委員会にて2024年5月9日に承認され、大阪大学と当財団との共同研究「血管疾患に対するトリカプリンを用いた治療法の開発研究」を基盤として2024年5月17日より大阪大学医学部附属病院 循環器内科で開始されました。

PR TIMES  https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000108988.html

 

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